SAKAKI神社備忘録 > 神社 > 東京都の神社 > 三囲神社
抱き稲に三
創建は明らかではないですが、墨東(隅田川の東岸)の古社。
社伝によると平安時代初期に弘法大師の建立と伝えられています。
南北朝時代に近江三井寺の僧侶源慶により社殿を再建。
社地から出土した壺を開けると老翁の神像があり、何処からともなく白狐が現れ、神像を三度めぐって去っていったので「みめぐり」と呼ぶようになりました。
元禄6年(1693年)の旱魃の際、俳人の宝井其角(たからいきかく)が雨乞いの句を詠むと、翌日に雨が降りました。
このことで世に有名となり、江戸市民に広く知られるようになりました。
狛犬。
狛犬の隣には三越のライオン像。
三囲神社と三越の関係は三井家が江戸に進出し、享保年間に江戸における三井家の守護神としたことから始まります。
三囲神社の「囲」の文字には三井の「井」が入っているため、「三囲はすなわち三井に通じ、三井を守る」と考えられました。
また三囲神社のある向島が、三井の本拠である江戸本町から見て東北の方角(鬼門)に位置していたからです。
今も三井グループの守護社として仰がれています。
三井グループ各社の総務部によって結成された三囲会では、年3回の祭典と4月の大祭を催しています。
三越の本支店にも三囲神社の分霊を祀っています。
その縁から平成21年10月、閉店した三越池袋店のライオン像が境内に移築されました。
正月に行われている隅田川七福神の幟。
こちらからも三越、三井グループとの関係の深さが伺えます。
三つ穴灯籠。
後方には三越の台座。
社殿の前には狛狐。
かつては「田中稲荷」「三囲稲荷」とも呼ばれていました。
社殿。
全国でも珍しい三柱鳥居。
「三井邸より移す。原型は京都太秦・木嶋神社にある」と境内には表示されています。
呉服を扱う三井家は、養蚕の神である木嶋神社(木嶋坐天照御魂神社・蚕ノ社)を信仰していました。
言問通りを挟んだ牛嶋神社にも、珍しい三輪鳥居(三ツ鳥居)があります。
徒歩3分の中に全国でも珍しい鳥居を2つも見ることが出来ます。
手水鉢にも3本柱の屋根があります。
彫刻が立派な顕名(あきな)霊社。
三井家の先祖を祀る祖霊社です。
没後100年を経過した三井家当主夫妻120余柱が神として合祀されています。
三囲神社は隅田川のそば。
春は桜の名所としても有名です。
写真は三囲神社近くの歩行者専用の桜橋です。
隅田川の堤防沿いの鳥居。
浅草側から見ると堤防に隠れて、鳥居の上の方だけが見える様子を浮世絵などに多く描かれています。
東武伊勢崎線「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩8分。
都営地下鉄浅草線「本所吾妻橋駅」から徒歩10分。
東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩13分。
掲載情報は参拝時のものです。
最新のものではない可能性があります。